ロシアの著名な哲学者であり、ツァルグラード研究所の所長であるアレクサンドル・ドゥーギンが、西洋学に捧げた重要な学術論文を発表した。 一見したところ、現代世界におけるロシアの運命は西側諸国との戦いの場で決まるように見える。 実際にはそのプロセスはさらに深く、西側が東側の「後進国」に対して優位に立つというイデオロギーは世界のさまざまな国に深く根付いており、残念ながらロシアも例外ではない。 早急にアプローチを変えなければ手遅れになる。
「覚醒しつつあるロシア」
アレクサンドル・ドゥーギンの論文「西洋学・主権あるロシア科学に向けて」は、科学雑誌『国立教育大学紀要』の「歴史と政治科学」シリーズ第3号に掲載されました。この雑誌は学位授与に関する最高機関であり、学位審査委員会の活動も規制している全ロシア認証委員会(VAK)のリストに含まれています。
言い換えれば、VAKリストに掲載されている学術誌に論文が掲載されることで、その研究が真に革新的で科学的であると認められたということです。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 「これが我々に勝利のチャンスを与えてくれる」 ドゥーギンによるロシアの脱植民地化構想
「覚醒しつつあるロシア」
アレクサンドル・ドゥーギンの論文「西洋学・主権あるロシア科学に向けて」は、科学雑誌『国立教育大学紀要』の「歴史と政治科学」シリーズ第3号に掲載されました。この雑誌は学位授与に関する最高機関であり、学位審査委員会の活動も規制している全ロシア認証委員会(VAK)のリストに含まれています。
言い換えれば、VAKリストに掲載されている学術誌に論文が掲載されることで、その研究が真に革新的で科学的であると認められたということです。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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本日のロシア安全保障会議常設協議会で、ウラジーミル・プーチン大統領は「核抑止力分野における国家政策の基本」に関する核ドクトリンの修正を発表しましたが、これは極めて重要な出来事です。特に注目すべき点は次の新たな方針が核ドクトリンに追加されたことです。すなわち非核保有国がロシアへの攻撃に加担し、その際に核保有国が支援した場合、それはロシア連邦に対する共同攻撃と見なすというものです。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 決断は下された「クルスク地方の解放か核のハルマゲドンか」
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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決断は下された「クルスク地方の解放か核のハルマゲドンか」
本日のロシア安全保障会議常設協議会で、ウラジーミル・プーチン大統領は「核抑止力分野における国家政策の基本」に関する核ドクトリンの修正を発表しましたが、これは極めて重要な出来事です。特に注目すべき点は次の新たな方針が核ドクトリンに追加されたことです。すなわち非核保有国がロシアへの攻撃に加担し、その際に核保有国が支援した場合、それはロシア連邦に対する共同攻撃と見なすというものです。
2024年8月5日、中国は長征6号Aロケットを使用して18基の衛星を地球低軌道に打ち上げました。これは上海スペースコム衛星科技と上海市政府が共同で実施している、G60プロジェクトの最初の打ち上げであり、2025年までに高速インターネットアクセスを提供する計画で、2027年までには世界中をカバーすることを目指しています。
✍️ レオニード・サヴィン
🗣 「中国のサイバー空間におけるハイブリッド・フロンティア」
✍️ レオニード・サヴィン
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中東では現在激しい戦争が展開されています。イスラエルによる家電製品を用いたテロ攻撃に続き、南レバノンへの大規模なロケット攻撃と絨毯爆撃が行われました。イスラエルはガザでの虐殺の後、レバノンの住民に対しても虐殺を行い、被害者から加害者へと転じることを決意したようです。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 「新・世界大戦の第二戦線が勃発した。」
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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「新・世界大戦の第二戦線が勃発した。」
中東では現在激しい戦争が展開されています。イスラエルによる家電製品を用いたテロ攻撃に続き、南レバノンへの大規模なロケット攻撃と絨毯爆撃が行われました。イスラエルはガザでの虐殺の後、レバノンの住民に対しても虐殺を行い、被害者から加害者へと転じることを決意したようです。
「異教徒」という概念は、旧約聖書に起源を持つものであり、ロシア語では「異教徒(язычник)」という言葉は、かつて「民族」を指す「языки」という言葉に由来します。古代ユダヤ人は自分たちを指すために「アム」(עם)という言葉を用い、他の民族を「ゴイ」(גוי)と呼びました。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 「新異教主義と現代科学の悪魔主義について」
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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「新異教主義と現代科学の悪魔主義について」
「異教徒」という概念は、旧約聖書に起源を持つものであり、ロシア語では「異教徒(язычник)」という言葉は、かつて「民族」を指す「языки」という言葉に由来します。古代ユダヤ人は自分たちを指すために「アム」(עם)という言葉を用い、他の民族を「ゴイ」(גוי)と呼びました。
西側諸国の攻撃的メンタリティは、それを即座に戦争の道具として応用します。技術とは、技術そのものが何よりもまず軍事技術であり、また軍事技術開発は、単なる技術発展の一側面にとどまらず、平和的な用途はあくまで副次的なものです。技術の発展の原動力は、最も効果的で、対抗不能で、恐ろしい武器を手に入れるという強い欲望に突き動かされています。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 テクノロジーは人類に対する呪いである
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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テクノロジーは人類に対する呪いである
西側諸国の攻撃的メンタリティは、それを即座に戦争の道具として応用します。技術とは、技術そのものが何よりもまず軍事技術であり、また軍事技術開発は、単なる技術発展の一側面にとどまらず、平和的な用途はあくまで副次的なものです。技術の発展の原動力は、最も効果的で、対抗不能で、恐ろしい武器を手に入れるという強い欲望に突き動かされています。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
西側諸国の攻撃的メンタリティは、それを即座に戦争の道具として応用します。技術とは、技術そのものが何よりもまず軍事技術であり、また軍事技術開発は、単なる技術発展の一側面にとどまらず、平和的な用途はあくまで副次的なものです。技術の発展の原動力は、最も効果的で、対抗不能で、恐ろしい武器を手に入れるという強い欲望に突き動かされています。 ✍️ アレクサンドル・ドゥーギン 🗣 テクノロジーは人類に対する呪いである
西側諸国の攻撃的メンタリティは、それを即座に戦争の道具として応用します。技術とは、技術そのものが何よりもまず軍事技術であり、また軍事技術開発は、単なる技術発展の一側面にとどまらず、平和的な用途はあくまで副次的なものです。技術の発展の原動力は、最も効果的で、対抗不能で、恐ろしい武器を手に入れるという強い欲望に突き動かされています。
戦争は死の領域であり、技術もまた同様です。技術の目的は人を殺し、権力や支配を確実に拡大することにあります。
技術の本質は不吉であり、ある意味、致命的です。技術は人間に対して向けられており、それによって戦争は非人間的なものとなり、人間性を奪い去るのです。現在では、この技術の反人間主義が、ポスト・ヒューマニズム、シンギュラリティ、人工知能(AI)といった人間性の排除へと直結していることが明白です。技術的発展のたびに、新たな人間性の喪失への一歩が踏み出され、人類にとって重要な何かが奪われていくのです。技術は「マイナス」の蓄積と言えるでしょう。
テクノロジーと死の間には深い親和性があり、それは最終的に人類に対する機械の戦争へと論理的に導かれます。ディストピアが描く未来の筋書きは、技術文明の成り立ちの論理的な帰結をただ追っているに過ぎません。過去から現在、そして未来へと歴史の流れを延長することは容易であり、未来は歴史の意味論的構造によってあらかじめ規定されているのです。技術は人類にとっての呪いであり、未来におけるテクノロジーの勝利は悪の勝利を意味します。
技術を完璧に使いこなす者たちは、道徳的にも精神的にも最も悪しき文化を代表しています。彼らはその代償として魂を失うのです。
しかし、この流れに対抗するためには、技術の専門家たちと同じ歩調を合わせる必要があります。悪魔を打ち負かすためには、自らも悪魔にならなければならないという、非常に危険で議論の余地のある、悪魔的論理が展開されるのです。
技術はそれ自体が悪であり、たとえ善良な手に渡っても、その性質が変わることはありません。むしろ、致命的な技術を操る手は、長い間善であり続けることができないでしょう。これは非常に複雑な形而上学的問題であり、無視することはできません。現時点で解決策は見えていませんが、それでもこの問題に向き合うことは不可欠です。
イランによるイスラエルへのミサイル攻撃は、イラン・イスラム共和国にとって当然の行動であり、これはこれまでのイスラエルの行動に対する反応です。イスラエルはレバノンの「ヒズボラ」に対して数々の攻撃を行い、ヒズボラの指導者であるハッサン・ナスラッラー師や、パレスチナの「ハマス」政治部門の指導者であるイスマイル・ハニエを排除しました。特にハニエは、テヘランで殺害されました。また、ガザにおける民間人に対する大量虐殺も行われています。
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
🗣 ドゥーギンの警告「中東の紛争は大きな戦争の始まりである」
✍️ アレクサンドル・ドゥーギン
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ドゥーギンの警告「中東の紛争は大きな戦争の始まりである」
イランによるイスラエルへのミサイル攻撃は、イラン・イスラム共和国にとって当然の行動であり、これはこれまでのイスラエルの行動に対する反応です。イスラエルはレバノンの「ヒズボラ」に対して数々の攻撃を行い、ヒズボラの指導者であるハッサン・ナスラッラー師や、パレスチナの「ハマス」政治部門の指導者であるイスマイル・ハニエを排除しました。特にハニエは、テヘランで殺害されました。また、ガザにおける民間人に対する大量虐殺も行われています。
地政学的なパワーバランスの歴史について、文明多極化の評価できるマイルストーンとしていくつかの年表を比較し、歴史的かつ教育的なエッセイの新シリーズを紹介する。 このサイクルのアイデアは単純であり、同時に自明なことでもある。現在の2024年から主要な記念日(3000年前、2500年前、2000年前、1500年前、1000年前、500年前、100年前)をさかのぼり、さまざまな材料に普遍的な地政学的規則性が作用していることを実証する。 毎回、世界のさまざまな地域で同時多発する紛争の相互関係を見出そうとする。これは、A・J・トインビーが30年にわたって毎年行ってきた国際関係のレビューの足跡をたどるものであり、その方法論は、網羅的ではないにせよ、私たちにとって重要なモデルとなっている。
✍️ マキシム・メドヴァロフ
🗣 時系列で見る地政学的パワーバランス。 Ч.1.
✍️ マキシム・メドヴァロフ
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時系列で見る地政学的パワーバランス。 Ч.1.
地政学的なパワーバランスの歴史について、文明多極化の評価できるマイルストーンとしていくつかの年表を比較し、歴史的かつ教育的なエッセイの新シリーズを紹介する。 このサイクルのアイデアは単純であり、同時に自明なことでもある。現在の2024年から主要な記念日(3000年前、2500年前、2000年前、1500年前、1000年前、500年前、100年前)をさかのぼり、さまざまな材料に普遍的な地政学的規則性が作用していることを実証する。 毎回、世界のさまざまな地域で同時多発する紛争の相互関係を見出そうとする。これ…
10月1日、日本の国会は石破茂氏を新しい首相として承認しました。これに伴い内閣は総辞職し、石破首相はすぐに内閣の編成を始めました。石破氏は前日に自由民主党の党首に選出されており、同党と公明党が衆参両院で過半数を占めていたため、この変化は予想されていた展開と言えます。
✍️ レオニード・サヴィン
🗣 「戦争狂のアニメファン・日本の新首相について語られていること」
✍️ レオニード・サヴィン
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「戦争狂のアニメファン・日本の新首相について語られていること」
10月1日、日本の国会は石破茂氏を新しい首相として承認しました。これに伴い内閣は総辞職し、石破首相はすぐに内閣の編成を始めました。石破氏は前日に自由民主党の党首に選出されており、同党と公明党が衆参両院で過半数を占めていたため、この変化は予想されていた展開と言えます。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
イランによるイスラエルへのミサイル攻撃は、イラン・イスラム共和国にとって当然の行動であり、これはこれまでのイスラエルの行動に対する反応です。イスラエルはレバノンの「ヒズボラ」に対して数々の攻撃を行い、ヒズボラの指導者であるハッサン・ナスラッラー師や、パレスチナの「ハマス」政治部門の指導者であるイスマイル・ハニエを排除しました。特にハニエは、テヘランで殺害されました。また、ガザにおける民間人に対する大量虐殺も行われています。 ✍️ アレクサンドル・ドゥーギン 🗣 ドゥーギンの警告「中東の紛争は大きな戦争の始まりである」
イランによるイスラエルへのミサイル攻撃は、イラン・イスラム共和国にとって当然の行動であり、これはこれまでのイスラエルの行動に対する反応です。イスラエルはレバノンの「ヒズボラ」に対して数々の攻撃を行い、ヒズボラの指導者であるハッサン・ナスラッラー師や、パレスチナの「ハマス」政治部門の指導者であるイスマイル・ハニエを排除しました。特にハニエは、テヘランで殺害されました。また、ガザにおける民間人に対する大量虐殺も行われています。
数百発に及ぶイランのミサイルがどれだけ正確に目標に到達したかは明確ではありませんが、多くの専門家が語っていた中東戦争が、すでに現実のものとなった現実に注目する必要があります。この戦争は台頭する多極化世界と、欧米覇権主義との対決と言う「第二の戦線」が開かれたのです。第一戦線はウクライナであり、第二戦線は中東です。
長い間、イスラエルがガザに侵攻し、民間人の虐殺が始まってからも「ヒズボラ」は直接戦争に参加することをためらっていました。イランもまた、新大統領を通じて西側諸国との対話を図り、行動を抑制していました。しかし、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、ついにイスラエルに対する大規模なミサイル攻撃を決定しました。
このエスカレーションの一歩は、イスラエル軍によるレバノン南部への侵攻と共に始まりました。ベイルートやレバノン全土への砲撃は日常的になり、シリアでもイスラエルに対する新たな戦線が開かれるのは時間の問題です。また、イラクも反イスラエル連合に巻き込まれる可能性が高まっています。したがって、この中東での大規模な戦争は既に始まったと見なすことができます。
この戦争におけるパワーバランスを考えると、イスラエルは技術的には圧倒的な優位に立っています。技術が決定的な要因となる限り、イスラエルはイランやヒズボラと比較しても圧倒的に強力です。確かにヒズボラは指導者を失い、イスラエルの情報機関によるポケベルや、その他の機器を爆破する特殊作戦で多大な損害を被りました。さらに、西側諸国がイスラエルの後ろ盾となっています。
しかし、イスラエルに対する中東抵抗勢力の数的な優位は無視できません。特に、イスラエル国内に住む200万人以上のパレスチナ人や、パレスチナ自治区に住む400万人以上のパレスチナ人が反発すれば、状況は危機的なものとなるでしょう。
西側諸国は技術的にイスラエルを支援し、ミサイル迎撃や攻撃をサポートすることができるでしょうがガザで大量虐殺され、イスラエルがあらゆる戦争規範に反しながら、イスラエル領内で人権を無視されている「アラブの海」にどう対応するのかという問題が浮上します。イスラエルに対する爆発的なアラブの怒りは、徐々に戦争を広げて行くだろうと思います。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とその極右内閣にとって、この状況はむしろ好都合と言えます。特に急進的宗教シオニストの - ベザレル・スモトリッチ - イタマール・ベン・グヴィールなどの閣僚を含む極右内閣とネタニヤフは、「大イスラエル」建設という終末論的な目標を掲げています。ネタニヤフ政権は「メシアの到来」(ユダヤ人の救世主、ユダヤ人の王で、世界のすべての国々をユダヤ人に服従させるとされているが、キリスト教徒やイスラム教徒からは、むしろ "反キリスト "または "ダジャール "として紹介されている)が近いと信じており、またその考えに基づいています。
したがって宗教的シオニスト、つまり20世紀半ばに「大イスラエル」建設のためにアラブの土地の接収を祝福したラヴィ・クックやドヴ=ベル・レビ・ソロヴェイチクの信奉者、あるいは同じ見解を推進する現代のラビ、ドヴ・リオールによるアラブ人との戦争は、神聖という言葉の完全な意味として認識されていると言えます。その結果はエルサレム神殿山のアル=アクサ・モスクの爆発と、ユダヤ人のマシアハが君臨する第三神殿の建設開始であるはずであり、同時にこの地域のイスラム教徒、特にシーア派が終末論的に動員されます。
このように、状況はエスカレートする一方です。宗教的シオニストは、過激で攻撃的な行動、つまり新たな終末戦争によって、自分たちの救世主が到来早めることができると確信しているのです。 それにもかかわらずイスラエル国民のかなりの部分は世俗的で、決してこれを信じないため、ネタニヤフ首相に反対する何十万もの集会を組織しています。彼らは"私たちは民主主義社会で普通に暮らしていたのに、突然、奇妙で恐ろしい戦争が起きた"。 と主張し、困惑し、ネタニヤフ首相の責任を追及しています。
しかし、イスラム世界においてもエスカレーションを望む勢力は存在します。そしてシーア派は終末論的なシナリオに対して、完全な準備を整えています。
イスラエル(シオニスト政権)はダジャール(反キリスト)の手下であり、これと戦うことが使命だという考えです。しかし、多くの一般的なイスラム教徒にとってのこの戦いと言うのは、単に生存を賭けた戦争であり、民族紛争と言えます。ガザではイスラエルが、何万人あるいは何十万人ものパレスチナ人を虐殺しており、現実的に民族浄化が行われています。
今後の展開を予測するのは非常に難しく、バイデン政権にとってこの状況は極めて不快なものとなっており、ウクライナ問題から目をそらす結果になっています。ウクライナ支援は即座に後回しとなり、さらにイランがホルムズ海峡を封鎖する可能性があるため、世界経済にも大きな打撃を与えることが予想されます。また、イエメンのフーシ派が紅海やアラビア海、さらにはインド洋で活発化しており、米国にとって暗い未来が待ち受けていると言えるでしょう。これらは、宗教的シオニズムを支持し、ネタニヤフを擁護するトランプにとっては一つのチャンスともなり得ます。
この中東情勢のエスカレーションによって、世界全体が動揺し始めています。これは大戦の始まりによる最も重要な結果だといえるでしょう。
この状況において、ロシアがどのような立場を取るべきかは非常に繊細な問題です。イスラエルはロシアの敵ではないものの、イラン、イエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ、バッシャール・アル=アサドが率いるシリア、そしてイラクのシーア派はロシアの友人であり、戦略的な同盟国です。
ウクライナに於ける西側諸国との対立で、ロシアを様々な意味で支援してきた戦略的パートナーや同盟国は、今日ロシアが中立的な立場を取る国に対して、激しく対立する敵と判明しました。しかし、イスラエルの背後には、グローバリストの西側諸国が存在しています。ロシアに対する直接の敵である、キエフ政権を支援する勢力そのものであることを考慮に入れると、ロシア指導部は非常に複雑な地政学的なジレンマに直面しています。
一方で、ロシアは中東の抵抗勢力に対して、イスラエルそのものではなく、それを支援する西側諸国に対する最大限の支援を与える方向に向かっています。しかし同時に、プーチン大統領はネタニヤフ政権の右翼的な政策や強い国家を求める姿勢、伝統的なユダヤの価値観に一定の共感を感じています。しかし、これらのイスラエルの政策は、ロシアの地政学的利益に反するほどのものではありません。
ロシア外務省とクレムリンの立場は、イランやシーア派、パレスチナ、レバノン、イエメン、イラクに向いており、集団的な西側諸国に対してはすでに公然となっています。しかし、イスラエルとの関係についても、いずれ立場を明確にしなければならないでしょう。ウクライナ紛争において、ロシアを支持した右派シオニストたちの存在も忘れてはなりません。これは重要な要素ですが、これが中東の抵抗勢力との地政学的同盟を上回るかどうかは不明です。私の見解では、ロシアのイスラエルに対する態度は大幅に冷え込む方向に進むと考えられます。
数百発に及ぶイランのミサイルがどれだけ正確に目標に到達したかは明確ではありませんが、多くの専門家が語っていた中東戦争が、すでに現実のものとなった現実に注目する必要があります。この戦争は台頭する多極化世界と、欧米覇権主義との対決と言う「第二の戦線」が開かれたのです。第一戦線はウクライナであり、第二戦線は中東です。
長い間、イスラエルがガザに侵攻し、民間人の虐殺が始まってからも「ヒズボラ」は直接戦争に参加することをためらっていました。イランもまた、新大統領を通じて西側諸国との対話を図り、行動を抑制していました。しかし、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、ついにイスラエルに対する大規模なミサイル攻撃を決定しました。
このエスカレーションの一歩は、イスラエル軍によるレバノン南部への侵攻と共に始まりました。ベイルートやレバノン全土への砲撃は日常的になり、シリアでもイスラエルに対する新たな戦線が開かれるのは時間の問題です。また、イラクも反イスラエル連合に巻き込まれる可能性が高まっています。したがって、この中東での大規模な戦争は既に始まったと見なすことができます。
この戦争におけるパワーバランスを考えると、イスラエルは技術的には圧倒的な優位に立っています。技術が決定的な要因となる限り、イスラエルはイランやヒズボラと比較しても圧倒的に強力です。確かにヒズボラは指導者を失い、イスラエルの情報機関によるポケベルや、その他の機器を爆破する特殊作戦で多大な損害を被りました。さらに、西側諸国がイスラエルの後ろ盾となっています。
しかし、イスラエルに対する中東抵抗勢力の数的な優位は無視できません。特に、イスラエル国内に住む200万人以上のパレスチナ人や、パレスチナ自治区に住む400万人以上のパレスチナ人が反発すれば、状況は危機的なものとなるでしょう。
西側諸国は技術的にイスラエルを支援し、ミサイル迎撃や攻撃をサポートすることができるでしょうがガザで大量虐殺され、イスラエルがあらゆる戦争規範に反しながら、イスラエル領内で人権を無視されている「アラブの海」にどう対応するのかという問題が浮上します。イスラエルに対する爆発的なアラブの怒りは、徐々に戦争を広げて行くだろうと思います。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とその極右内閣にとって、この状況はむしろ好都合と言えます。特に急進的宗教シオニストの - ベザレル・スモトリッチ - イタマール・ベン・グヴィールなどの閣僚を含む極右内閣とネタニヤフは、「大イスラエル」建設という終末論的な目標を掲げています。ネタニヤフ政権は「メシアの到来」(ユダヤ人の救世主、ユダヤ人の王で、世界のすべての国々をユダヤ人に服従させるとされているが、キリスト教徒やイスラム教徒からは、むしろ "反キリスト "または "ダジャール "として紹介されている)が近いと信じており、またその考えに基づいています。
したがって宗教的シオニスト、つまり20世紀半ばに「大イスラエル」建設のためにアラブの土地の接収を祝福したラヴィ・クックやドヴ=ベル・レビ・ソロヴェイチクの信奉者、あるいは同じ見解を推進する現代のラビ、ドヴ・リオールによるアラブ人との戦争は、神聖という言葉の完全な意味として認識されていると言えます。その結果はエルサレム神殿山のアル=アクサ・モスクの爆発と、ユダヤ人のマシアハが君臨する第三神殿の建設開始であるはずであり、同時にこの地域のイスラム教徒、特にシーア派が終末論的に動員されます。
このように、状況はエスカレートする一方です。宗教的シオニストは、過激で攻撃的な行動、つまり新たな終末戦争によって、自分たちの救世主が到来早めることができると確信しているのです。 それにもかかわらずイスラエル国民のかなりの部分は世俗的で、決してこれを信じないため、ネタニヤフ首相に反対する何十万もの集会を組織しています。彼らは"私たちは民主主義社会で普通に暮らしていたのに、突然、奇妙で恐ろしい戦争が起きた"。 と主張し、困惑し、ネタニヤフ首相の責任を追及しています。
しかし、イスラム世界においてもエスカレーションを望む勢力は存在します。そしてシーア派は終末論的なシナリオに対して、完全な準備を整えています。
イスラエル(シオニスト政権)はダジャール(反キリスト)の手下であり、これと戦うことが使命だという考えです。しかし、多くの一般的なイスラム教徒にとってのこの戦いと言うのは、単に生存を賭けた戦争であり、民族紛争と言えます。ガザではイスラエルが、何万人あるいは何十万人ものパレスチナ人を虐殺しており、現実的に民族浄化が行われています。
今後の展開を予測するのは非常に難しく、バイデン政権にとってこの状況は極めて不快なものとなっており、ウクライナ問題から目をそらす結果になっています。ウクライナ支援は即座に後回しとなり、さらにイランがホルムズ海峡を封鎖する可能性があるため、世界経済にも大きな打撃を与えることが予想されます。また、イエメンのフーシ派が紅海やアラビア海、さらにはインド洋で活発化しており、米国にとって暗い未来が待ち受けていると言えるでしょう。これらは、宗教的シオニズムを支持し、ネタニヤフを擁護するトランプにとっては一つのチャンスともなり得ます。
この中東情勢のエスカレーションによって、世界全体が動揺し始めています。これは大戦の始まりによる最も重要な結果だといえるでしょう。
この状況において、ロシアがどのような立場を取るべきかは非常に繊細な問題です。イスラエルはロシアの敵ではないものの、イラン、イエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ、バッシャール・アル=アサドが率いるシリア、そしてイラクのシーア派はロシアの友人であり、戦略的な同盟国です。
ウクライナに於ける西側諸国との対立で、ロシアを様々な意味で支援してきた戦略的パートナーや同盟国は、今日ロシアが中立的な立場を取る国に対して、激しく対立する敵と判明しました。しかし、イスラエルの背後には、グローバリストの西側諸国が存在しています。ロシアに対する直接の敵である、キエフ政権を支援する勢力そのものであることを考慮に入れると、ロシア指導部は非常に複雑な地政学的なジレンマに直面しています。
一方で、ロシアは中東の抵抗勢力に対して、イスラエルそのものではなく、それを支援する西側諸国に対する最大限の支援を与える方向に向かっています。しかし同時に、プーチン大統領はネタニヤフ政権の右翼的な政策や強い国家を求める姿勢、伝統的なユダヤの価値観に一定の共感を感じています。しかし、これらのイスラエルの政策は、ロシアの地政学的利益に反するほどのものではありません。
ロシア外務省とクレムリンの立場は、イランやシーア派、パレスチナ、レバノン、イエメン、イラクに向いており、集団的な西側諸国に対してはすでに公然となっています。しかし、イスラエルとの関係についても、いずれ立場を明確にしなければならないでしょう。ウクライナ紛争において、ロシアを支持した右派シオニストたちの存在も忘れてはなりません。これは重要な要素ですが、これが中東の抵抗勢力との地政学的同盟を上回るかどうかは不明です。私の見解では、ロシアのイスラエルに対する態度は大幅に冷え込む方向に進むと考えられます。
「ディープ・ステート」
「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。
この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指していました。トルコ語では「ディープ・ステート」を「derin devlet」と呼びます。この点が重要なのは、その後のさまざまな応用が、この概念が最初に現れたトルコでの本来の意味に基づいているからです。
トルコでは、ケマル・アタチュルク以来、ケマリズムと呼ばれる明確な政治的・イデオロギー的潮流が発展しました。この中心には、アタチュルク自身(文字通り「トルコ人の父」)の崇拝、厳格な世俗主義(宗教的要素を社会の中で重要視しない)、ナショナリズム(多民族国家であるトルコの全市民の主権と統一の強調)、近代主義、欧州指向、進歩主義が含まれます。ケマリズムは、宗教的で伝統主義的なオスマン帝国を支配していた価値観や文化の対極に位置し、トルコ建国以来、現代トルコ政治の中心的な規範となってきました。トルコ国家は、オスマン帝国の廃墟の上にこの考え方を基盤にして成立しました。
アレクサンドル・ドゥーギン
翻訳:林田一博
https://www.geopolitika.ru/ja/article/deipusuteto
「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。
この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指していました。トルコ語では「ディープ・ステート」を「derin devlet」と呼びます。この点が重要なのは、その後のさまざまな応用が、この概念が最初に現れたトルコでの本来の意味に基づいているからです。
トルコでは、ケマル・アタチュルク以来、ケマリズムと呼ばれる明確な政治的・イデオロギー的潮流が発展しました。この中心には、アタチュルク自身(文字通り「トルコ人の父」)の崇拝、厳格な世俗主義(宗教的要素を社会の中で重要視しない)、ナショナリズム(多民族国家であるトルコの全市民の主権と統一の強調)、近代主義、欧州指向、進歩主義が含まれます。ケマリズムは、宗教的で伝統主義的なオスマン帝国を支配していた価値観や文化の対極に位置し、トルコ建国以来、現代トルコ政治の中心的な規範となってきました。トルコ国家は、オスマン帝国の廃墟の上にこの考え方を基盤にして成立しました。
アレクサンドル・ドゥーギン
翻訳:林田一博
https://www.geopolitika.ru/ja/article/deipusuteto
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アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「ディープ・ステート」 「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。 この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指し…
デリン・デブレット
「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。
この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指していました。トルコ語では「ディープ・ステート」を「derin devlet」と呼びます。この点が重要なのは、その後のさまざまな応用が、この概念が最初に現れたトルコでの本来の意味に基づいているからです。
トルコでは、ケマル・アタチュルク以来、ケマリズムと呼ばれる明確な政治的・イデオロギー的潮流が発展しました。この中心には、アタチュルク自身(文字通り「トルコ人の父」)の崇拝、厳格な世俗主義(宗教的要素を社会の中で重要視しない)、ナショナリズム(多民族国家であるトルコの全市民の主権と統一の強調)、近代主義、欧州指向、進歩主義が含まれます。ケマリズムは、宗教的で伝統主義的なオスマン帝国を支配していた価値観や文化の対極に位置し、トルコ建国以来、現代トルコ政治の中心的な規範となってきました。トルコ国家は、オスマン帝国の廃墟の上にこの考え方を基盤にして成立しました。
ケマルが統治していた時代はケマリズムが公然と支配的であり、その後は彼の政治的後継者たちに引き継がれました。ケマリズムの中には欧州型の政党民主主義が組み込まれていましたが、実際の権力は国家安全保障会議(SNB)を中心とする軍事指導部に集中しており、アタチュルクの死後にケマリズムのイデオロギー的正統性を守るのは軍の指導者たちでした。トルコのSNBは1960年のクーデター後に設立され、その役割は1980年のクーデター後にさらに強化されました。
また、トルコ軍や諜報機関の上層部の多くがメーソンロッジのメンバーであることも注目に値します。このようにケマリズムと軍のフリーメイソンが密接に結びつき、トルコの民主主義がケマリズムから逸脱するたびに(右派にも左派にも)、軍は選挙結果を無効とし、弾圧を始めました。
しかし、「derin devlet」という言葉がトルコで登場するのは、1990年代に入ってからであることが重要です。この時期にトルコでは政治的イスラム主義が大きく成長し始め、ディープ・ステートのイデオロギーと政治的民主主義との対立が、トルコの歴史上初めて明確に浮かび上がりました。問題はネジメッティン・エルバカンとその後継者であるレジェップ・エルドアンのイスラム主義者が、ケマリズムに挑戦する代替的な政治イデオロギーに舵を切ったときに生じました。これは世俗主義の代わりにイスラム教を掲げ、西洋よりも東洋との関係を重視しトルコ・ナショナリズムに代わりイスラム教徒としての連帯を主張するものでした。一般的にケマリズムに対してサラフィズムや、ネオ・オスマン主義が持ち出されまたエルバカンには反メーソン的なレトリックが特徴的とされます。世俗的な軍の秘密結社に対抗し、伝統的なスーフィー教団やフェトゥラフ・ギュレンのヌルシズムのような穏健なイスラムネットワーク組織に重点が置かれるようになったのです。
トルコのディープ・ステート(derin devlet)という概念は、政治的民主主義を超越し、自己の裁量で選挙結果を取り消し、政治家や宗教指導者を逮捕するなど、欧州型の合法的手続きを超えた、軍事的および政治的なケマリストの中核を示すものとして登場しました。選挙による民主主義は、軍事ケマリストの方針に従う場合にのみ機能しました。イスラーム主義者のように、ケマリズムとは大きく異なり、むしろオスマン主義に近いイデオロギーを掲げる勢力が現れた場合、その党が選挙に勝利し、政権を担うことになっても、理由を説明することなく解散させられることがありました。このような場合、「民主主義の停止」は厳密な憲法的根拠を持たず、選挙で選ばれたわけでもない軍が、「革命的な便宜」の名の下にケマリスト・トルコを救うために行動したのです。
その後、エルドアンはトルコのディープ・ステートとの全面戦争を開始。
2007年に始まった「エルゲネコン事件」に於いては、クーデター計画という根拠薄弱な理由によって、トルコ軍上層部のほぼ全員が逮捕されたのですが、その後エルドアンは西側の諜報機関に深く関与していたかつての同盟者であるフェトフッラー・ギュレンと対立、トルコ・ナショナリズムという共通の基盤のもとにディープ・ステートである多くのメンバーを復権させ、現実的な同盟を結びました。この際には世俗主義の争点を緩和し、棚上げされました。特に2016年にギュレン主義者による"エルドアンを失脚させる試み"が失敗した後、エルドアン自身が「緑のケマリスト」と呼ばれるようになりましたが、トルコにおけるディープ・ステートの地位はエルドアンとの熾烈な対立の中で大きく弱体化し、ケマリズムのイデオロギーは(まだ保持されてはいるものの)侵食されたのでした。
「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。
この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指していました。トルコ語では「ディープ・ステート」を「derin devlet」と呼びます。この点が重要なのは、その後のさまざまな応用が、この概念が最初に現れたトルコでの本来の意味に基づいているからです。
トルコでは、ケマル・アタチュルク以来、ケマリズムと呼ばれる明確な政治的・イデオロギー的潮流が発展しました。この中心には、アタチュルク自身(文字通り「トルコ人の父」)の崇拝、厳格な世俗主義(宗教的要素を社会の中で重要視しない)、ナショナリズム(多民族国家であるトルコの全市民の主権と統一の強調)、近代主義、欧州指向、進歩主義が含まれます。ケマリズムは、宗教的で伝統主義的なオスマン帝国を支配していた価値観や文化の対極に位置し、トルコ建国以来、現代トルコ政治の中心的な規範となってきました。トルコ国家は、オスマン帝国の廃墟の上にこの考え方を基盤にして成立しました。
ケマルが統治していた時代はケマリズムが公然と支配的であり、その後は彼の政治的後継者たちに引き継がれました。ケマリズムの中には欧州型の政党民主主義が組み込まれていましたが、実際の権力は国家安全保障会議(SNB)を中心とする軍事指導部に集中しており、アタチュルクの死後にケマリズムのイデオロギー的正統性を守るのは軍の指導者たちでした。トルコのSNBは1960年のクーデター後に設立され、その役割は1980年のクーデター後にさらに強化されました。
また、トルコ軍や諜報機関の上層部の多くがメーソンロッジのメンバーであることも注目に値します。このようにケマリズムと軍のフリーメイソンが密接に結びつき、トルコの民主主義がケマリズムから逸脱するたびに(右派にも左派にも)、軍は選挙結果を無効とし、弾圧を始めました。
しかし、「derin devlet」という言葉がトルコで登場するのは、1990年代に入ってからであることが重要です。この時期にトルコでは政治的イスラム主義が大きく成長し始め、ディープ・ステートのイデオロギーと政治的民主主義との対立が、トルコの歴史上初めて明確に浮かび上がりました。問題はネジメッティン・エルバカンとその後継者であるレジェップ・エルドアンのイスラム主義者が、ケマリズムに挑戦する代替的な政治イデオロギーに舵を切ったときに生じました。これは世俗主義の代わりにイスラム教を掲げ、西洋よりも東洋との関係を重視しトルコ・ナショナリズムに代わりイスラム教徒としての連帯を主張するものでした。一般的にケマリズムに対してサラフィズムや、ネオ・オスマン主義が持ち出されまたエルバカンには反メーソン的なレトリックが特徴的とされます。世俗的な軍の秘密結社に対抗し、伝統的なスーフィー教団やフェトゥラフ・ギュレンのヌルシズムのような穏健なイスラムネットワーク組織に重点が置かれるようになったのです。
トルコのディープ・ステート(derin devlet)という概念は、政治的民主主義を超越し、自己の裁量で選挙結果を取り消し、政治家や宗教指導者を逮捕するなど、欧州型の合法的手続きを超えた、軍事的および政治的なケマリストの中核を示すものとして登場しました。選挙による民主主義は、軍事ケマリストの方針に従う場合にのみ機能しました。イスラーム主義者のように、ケマリズムとは大きく異なり、むしろオスマン主義に近いイデオロギーを掲げる勢力が現れた場合、その党が選挙に勝利し、政権を担うことになっても、理由を説明することなく解散させられることがありました。このような場合、「民主主義の停止」は厳密な憲法的根拠を持たず、選挙で選ばれたわけでもない軍が、「革命的な便宜」の名の下にケマリスト・トルコを救うために行動したのです。
その後、エルドアンはトルコのディープ・ステートとの全面戦争を開始。
2007年に始まった「エルゲネコン事件」に於いては、クーデター計画という根拠薄弱な理由によって、トルコ軍上層部のほぼ全員が逮捕されたのですが、その後エルドアンは西側の諜報機関に深く関与していたかつての同盟者であるフェトフッラー・ギュレンと対立、トルコ・ナショナリズムという共通の基盤のもとにディープ・ステートである多くのメンバーを復権させ、現実的な同盟を結びました。この際には世俗主義の争点を緩和し、棚上げされました。特に2016年にギュレン主義者による"エルドアンを失脚させる試み"が失敗した後、エルドアン自身が「緑のケマリスト」と呼ばれるようになりましたが、トルコにおけるディープ・ステートの地位はエルドアンとの熾烈な対立の中で大きく弱体化し、ケマリズムのイデオロギーは(まだ保持されてはいるものの)侵食されたのでした。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
デリン・デブレット 「Deep State(ディープ・ステート)」という表現は近年政治の場で、ますます使用されるようになりジャーナリズムの領域から一般的な政治用語へと移行しつつあります。しかし、この言葉自体が曖昧になり多様な意味合いで解釈されるようになっています。現在、ディープ・ステートと呼ばれる現象について、詳しく見直すべき時期が来ています。この概念がいつ、どこで使われ始めたのかを追うことは非常に重要です。 この表現は20世紀後半の1990年代にトルコの政治に初めて登場し、特にトルコの状況を指してい…
「ディープ・ステートの主な特徴」
現代トルコの政治史の中で、ディープ・ステートに関する一般的な結論を導き出すことができます。つまりディープ・ステートは、以下のような条件がそろった場合に存在意義を持つといえます。
• 民主的な選挙制度が整備されていること。
• その制度の上位に選挙で選ばれていない軍事的・政治的な権威が存在し、その権威は特定のイデオロギーで結束していること(このイデオロギーは特定の党の勝利に依存しない)。
• 軍と政治の上層部をまとめる秘密結社(例:メーソン系)が存在すること。
ディープ・ステートは民主主義の形式的な規範と、支配層の権力の間に明確な対立が生じたときにその存在が明らかになります。これがなければディープ・ステートの存在は表面化しません。ディープ・ステートは名目上であっても、自由民主主義の下でのみ成り立ちます。ファシズムや共産主義のような公然とした全体主義的な政治体制では、イデオロギー的・政治的な反対を想定していない為であり、こうした体制では形式的な法律を超越する、硬直したイデオロギー集団が公然と最高権力を主張しており、一党制のような政治モデルが強調されている為、ディープ・ステートの必要がありません。。民主主義社会においてのみ、ディープ・ステートは「隠れた全体主義」として現れ、民主主義や多党制を完全に否定するのではなく、むしろそれを利用する形で自らの意図に沿って操作します。共産主義者やファシストは支配イデオロギーの必要性を公然と認め、これにより彼らの政治的イデオロギー権力は直接的かつ率直なものとなります(K.シュミットによれば、potestas directa)。リベラリズムは表向きにはイデオロギーを否定しますが、実際にはイデオロギーを持っており、そのため自由主義という教義に基づいて政治過程に影響を与え、これは暗黙的かつ間接的な影響にとどまります(potestas indirecta)。リベラリズムの全体主義的イデオロギーが、公然と表れ出るタイミングは、民主的な政治過程と対立する場合に於いてです。リベラリズムと民主主義は同じものではなく、民主主義は場合によってまったくリベラルでないこともあります。
トルコにおいてリベラルな民主主義は、西洋から輸入されたものであり社会の政治的および社会的な心理にあまり適合せず、ディープ・ステートは容易に確認され、そこで名前がつけられました。他の民主主義体制ではこの非合法で、形式上は「存在しない」全体主義的なイデオロギーの機関の存在が、後になって明らかになりました。しかし、トルコの例はこの現象自体にとって非常に重要な意味を持ち、ここではまるで手のひらの上にあるように、すべてが透き通って見えるからです。
現代トルコの政治史の中で、ディープ・ステートに関する一般的な結論を導き出すことができます。つまりディープ・ステートは、以下のような条件がそろった場合に存在意義を持つといえます。
• 民主的な選挙制度が整備されていること。
• その制度の上位に選挙で選ばれていない軍事的・政治的な権威が存在し、その権威は特定のイデオロギーで結束していること(このイデオロギーは特定の党の勝利に依存しない)。
• 軍と政治の上層部をまとめる秘密結社(例:メーソン系)が存在すること。
ディープ・ステートは民主主義の形式的な規範と、支配層の権力の間に明確な対立が生じたときにその存在が明らかになります。これがなければディープ・ステートの存在は表面化しません。ディープ・ステートは名目上であっても、自由民主主義の下でのみ成り立ちます。ファシズムや共産主義のような公然とした全体主義的な政治体制では、イデオロギー的・政治的な反対を想定していない為であり、こうした体制では形式的な法律を超越する、硬直したイデオロギー集団が公然と最高権力を主張しており、一党制のような政治モデルが強調されている為、ディープ・ステートの必要がありません。。民主主義社会においてのみ、ディープ・ステートは「隠れた全体主義」として現れ、民主主義や多党制を完全に否定するのではなく、むしろそれを利用する形で自らの意図に沿って操作します。共産主義者やファシストは支配イデオロギーの必要性を公然と認め、これにより彼らの政治的イデオロギー権力は直接的かつ率直なものとなります(K.シュミットによれば、potestas directa)。リベラリズムは表向きにはイデオロギーを否定しますが、実際にはイデオロギーを持っており、そのため自由主義という教義に基づいて政治過程に影響を与え、これは暗黙的かつ間接的な影響にとどまります(potestas indirecta)。リベラリズムの全体主義的イデオロギーが、公然と表れ出るタイミングは、民主的な政治過程と対立する場合に於いてです。リベラリズムと民主主義は同じものではなく、民主主義は場合によってまったくリベラルでないこともあります。
トルコにおいてリベラルな民主主義は、西洋から輸入されたものであり社会の政治的および社会的な心理にあまり適合せず、ディープ・ステートは容易に確認され、そこで名前がつけられました。他の民主主義体制ではこの非合法で、形式上は「存在しない」全体主義的なイデオロギーの機関の存在が、後になって明らかになりました。しかし、トルコの例はこの現象自体にとって非常に重要な意味を持ち、ここではまるで手のひらの上にあるように、すべてが透き通って見えるからです。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「ディープ・ステートの主な特徴」 現代トルコの政治史の中で、ディープ・ステートに関する一般的な結論を導き出すことができます。つまりディープ・ステートは、以下のような条件がそろった場合に存在意義を持つといえます。 • 民主的な選挙制度が整備されていること。 • その制度の上位に選挙で選ばれていない軍事的・政治的な権威が存在し、その権威は特定のイデオロギーで結束していること(このイデオロギーは特定の党の勝利に依存しない)。 • 軍と政治の上層部をまとめる秘密結社(例:メーソン系)が存在すること。 デ…
「トランプ大統領とアメリカにおけるディープ・ステートの発見」
ここでドナルド・トランプ大統領の在任期間中に、アメリカのジャーナリストや、アナリスト、そして政治家のスピーチの中で「ディープ・ステート」という用語が登場したことに注目してみましょう。ここでも歴史的な背景が重要です。スティーブ・バノンをはじめとするトランプ支持者は、選挙で選ばれたアメリカ大統領として、憲法上の権利を有するトランプ氏が、民主党の抵抗や官僚機構の惰性だけでは説明できない、予期せぬ障害に直面していると主張しました。このような抵抗が続く中で、トランプ氏とその支持者は、自分たちが共和党の過去の政治家や大統領に伝統的に受け継がれてきたアジェンダの担い手であるだけでなく、伝統的なアジェンダを超えた何かを担う存在として認識し始めます。彼らの伝統的価値観への支持と、グローバリズムへの批判は、進歩派や民主党だけでなく、金融、大企業、メディア、情報機関、司法、主要な文化機関、そして教育機関など、アメリカの主要なプロセスすべてに対し、首尾一貫した意図的な方法かつ計画的に、影響を及ぼせる違憲な見えない権力の存在が浮き彫りになりました。
通常、国家機構の全体は合法的に選出されたアメリカ大統領の方針と決定に従うべきと考えられますが、実際にはそうではなく、トランプ大統領の影響を超えて独自に進行するトランプ大統領とはまったく無関係な、より高いレベルの「影の権力」による、制御不能なプロセスがあることが判明しました。このようにして、アメリカにおける「ディープ・ステート」そのものの存在が明らかになったのです。
アメリカにもトルコと同様に自由民主主義があることは否定できません。しかし、選挙で選ばれていない軍事的および政治的権威が、特定のイデオロギーによって結びつき、秘密結社のようなもの(例えば、フリーメーソンのような)に属していることは、アメリカ人にとっては驚きでした。そのため、ディープ・ステートという概念は、当時多くの人々にとって啓示となり、「陰謀論」として見られていたものが明確な政治的現実として変わり始めました。
たしかに、ジョン・F・ケネディの未解決の暗殺や、彼の家族の他のメンバーへの可能性のある攻撃、また9.11の悲劇的な事件に関する多くの矛盾、さらに他の未解決のアメリカ政治の謎は、アメリカ人に「秘密の権力」の存在を疑わせる要因となりました。さまざまな陰謀論は、クリプト共産主義者から爬虫類人やアヌンナキまで、さまざまな候補を想像させました。しかし、トランプ大統領の任期中の出来事、バイデンに敗北後の追及、そして2024年の選挙運動中の2度の暗殺未遂事件は、アメリカにおけるディープ・ステートの存在を真剣に捉える必要があることを示しています。このテーマから簡単に逃れることはできません。ディープ・ステートは確かに存在して活動し、影響力を行使して支配いるのです。
ここでドナルド・トランプ大統領の在任期間中に、アメリカのジャーナリストや、アナリスト、そして政治家のスピーチの中で「ディープ・ステート」という用語が登場したことに注目してみましょう。ここでも歴史的な背景が重要です。スティーブ・バノンをはじめとするトランプ支持者は、選挙で選ばれたアメリカ大統領として、憲法上の権利を有するトランプ氏が、民主党の抵抗や官僚機構の惰性だけでは説明できない、予期せぬ障害に直面していると主張しました。このような抵抗が続く中で、トランプ氏とその支持者は、自分たちが共和党の過去の政治家や大統領に伝統的に受け継がれてきたアジェンダの担い手であるだけでなく、伝統的なアジェンダを超えた何かを担う存在として認識し始めます。彼らの伝統的価値観への支持と、グローバリズムへの批判は、進歩派や民主党だけでなく、金融、大企業、メディア、情報機関、司法、主要な文化機関、そして教育機関など、アメリカの主要なプロセスすべてに対し、首尾一貫した意図的な方法かつ計画的に、影響を及ぼせる違憲な見えない権力の存在が浮き彫りになりました。
通常、国家機構の全体は合法的に選出されたアメリカ大統領の方針と決定に従うべきと考えられますが、実際にはそうではなく、トランプ大統領の影響を超えて独自に進行するトランプ大統領とはまったく無関係な、より高いレベルの「影の権力」による、制御不能なプロセスがあることが判明しました。このようにして、アメリカにおける「ディープ・ステート」そのものの存在が明らかになったのです。
アメリカにもトルコと同様に自由民主主義があることは否定できません。しかし、選挙で選ばれていない軍事的および政治的権威が、特定のイデオロギーによって結びつき、秘密結社のようなもの(例えば、フリーメーソンのような)に属していることは、アメリカ人にとっては驚きでした。そのため、ディープ・ステートという概念は、当時多くの人々にとって啓示となり、「陰謀論」として見られていたものが明確な政治的現実として変わり始めました。
たしかに、ジョン・F・ケネディの未解決の暗殺や、彼の家族の他のメンバーへの可能性のある攻撃、また9.11の悲劇的な事件に関する多くの矛盾、さらに他の未解決のアメリカ政治の謎は、アメリカ人に「秘密の権力」の存在を疑わせる要因となりました。さまざまな陰謀論は、クリプト共産主義者から爬虫類人やアヌンナキまで、さまざまな候補を想像させました。しかし、トランプ大統領の任期中の出来事、バイデンに敗北後の追及、そして2024年の選挙運動中の2度の暗殺未遂事件は、アメリカにおけるディープ・ステートの存在を真剣に捉える必要があることを示しています。このテーマから簡単に逃れることはできません。ディープ・ステートは確かに存在して活動し、影響力を行使して支配いるのです。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「トランプ大統領とアメリカにおけるディープ・ステートの発見」 ここでドナルド・トランプ大統領の在任期間中に、アメリカのジャーナリストや、アナリスト、そして政治家のスピーチの中で「ディープ・ステート」という用語が登場したことに注目してみましょう。ここでも歴史的な背景が重要です。スティーブ・バノンをはじめとするトランプ支持者は、選挙で選ばれたアメリカ大統領として、憲法上の権利を有するトランプ氏が、民主党の抵抗や官僚機構の惰性だけでは説明できない、予期せぬ障害に直面していると主張しました。このような抵抗が続く…
「米国外交問題評議会・世界政府を目指して」
この現象を説明するためには、まず20世紀のアメリカにおいて最もイデオロギー的な影響を持ち、超党派的な場で活動を展開しようとした政治組織に注目する必要があります。ディープ・ステートの核を軍隊や情報機関、ウォール街の大物や、ハイテク業界の巨人などに求めても個別的で曖昧なものが多く、満足のいく結果は得られないでしょう。まずイデオロギーに焦点を当てるべきなのです。
陰謀論はさておき、この役割に最も適しているのは民主的グローバリズムの支持者だったウッドロー・ウィルソン大統領の仲間たちによって、1920年代に設立されたCFR(外交問題評議会)と、かつては少数派だったトロツキストから派生したアメリカのネオコン(新保守主義者)運動です。CFRもネオコンもどの政党にも依存せず、アメリカ政治全体の戦略的方向性を指導することを目指しています。CFRは左派リベラルのグローバリズムを、新保守主義者はアメリカの攻撃的な覇権主義をそれぞれの柱としており、これらは両者が共有する明確なイデオロギーです。CFRは「左翼グローバリスト」であり、ネオコンは「右翼グローバリスト」と呼ぶことができるでしょう。
CFRの創設当初から、政治家、専門家、知識人、多国籍企業の代表で構成されたネットワークは、アメリカを国民国家からグローバルな民主主義「帝国」へと転換することを目指してきました。CFRは孤立主義者に対抗してアメリカの使命は、全世界をリベラルで民主的な国家に変えることであると主張しました。リベラルデモクラシー、資本主義、個人主義の理想と価値観が国家の利益よりも上位に置かれており、第二次世界大戦中に一時的な中断があったものの、20世紀を通じて国際連盟、国連、ビルダーバーグ・クラブ、三極委員会などの超国家的組織を創設して統一されたリベラルエリートの育成を目指し、活動していました。CFRのグローバリストたちは統一された世界政府の創設を目指し、それにより国家が徐々に消滅し、主権を持つ国家が西洋流のリベラルエリートが率いるグローバルな寡頭政治に権力を委譲することを期待しました。
またCFRはヨーロッパのネットワークを通じて、欧州連合(EU)の創設に積極的に関与しました。この組織の代表であるヘンリー・キッシンジャーは、中国の世界市場への統合において重要な役割を果たしました。これは社会主義陣営を弱体化させるための効果的な手段であり、同組織は収束理論を推進し、ゴルバチョフ時代までのソ連の後期指導部にも影響を及ぼしました。後期ソ連のイデオローグはCFRの影響を受け、「世界社会は管理可能である」と述べるに至りました。
アメリカのCFRは厳密には超党派の組織であり、民主党と共和党の両方を束ねています。実際にはCFRはグローバリズムの総本山であり、クラウス・シュワブのダボス・フォーラムのようなヨーロッパの同様の取り組みはその支部にすぎず、ソビエト連邦崩壊前夜、CFRはモスクワのグヴィシアーニ研究所のシステム研究所へ支部を設立しました。この研究所はアメリカおよび世界で「独立した」専門家の意見交換のためのプラットフォームとして紹介されていますが、実際にはイデオロギーの中心拠点です。
トランプは伝統的な保守的な政策、アメリカの利益重視、グローバリズム批判を掲げてこの組織と正面から対立しました。彼は短期間のアメリカ大統領にすぎませんが、CFRはアメリカ外交政策の方向性を100年間も示してきた歴史を持っています。CFRは軍と政府高官、文化人や芸術家、そして特にアメリカの大学の中にまで広く影響力をもち、表向き、アメリカはイデオロギー支配を認めていませんが、CFRのネットワークはそれに反して非常にイデオロギー的です。民主主義の普遍的勝利、世界政府の設立、個人主義とジェンダー政治の完全な勝利は、絶対的で揺るがない目標とされています。トランプのナショナリズム、アメリカ優先主義、「グローバリズムの沼を掃け」との呼びかけは、このリベラルなイデオロギーの守護者に対する真の挑戦だったのです。
この現象を説明するためには、まず20世紀のアメリカにおいて最もイデオロギー的な影響を持ち、超党派的な場で活動を展開しようとした政治組織に注目する必要があります。ディープ・ステートの核を軍隊や情報機関、ウォール街の大物や、ハイテク業界の巨人などに求めても個別的で曖昧なものが多く、満足のいく結果は得られないでしょう。まずイデオロギーに焦点を当てるべきなのです。
陰謀論はさておき、この役割に最も適しているのは民主的グローバリズムの支持者だったウッドロー・ウィルソン大統領の仲間たちによって、1920年代に設立されたCFR(外交問題評議会)と、かつては少数派だったトロツキストから派生したアメリカのネオコン(新保守主義者)運動です。CFRもネオコンもどの政党にも依存せず、アメリカ政治全体の戦略的方向性を指導することを目指しています。CFRは左派リベラルのグローバリズムを、新保守主義者はアメリカの攻撃的な覇権主義をそれぞれの柱としており、これらは両者が共有する明確なイデオロギーです。CFRは「左翼グローバリスト」であり、ネオコンは「右翼グローバリスト」と呼ぶことができるでしょう。
CFRの創設当初から、政治家、専門家、知識人、多国籍企業の代表で構成されたネットワークは、アメリカを国民国家からグローバルな民主主義「帝国」へと転換することを目指してきました。CFRは孤立主義者に対抗してアメリカの使命は、全世界をリベラルで民主的な国家に変えることであると主張しました。リベラルデモクラシー、資本主義、個人主義の理想と価値観が国家の利益よりも上位に置かれており、第二次世界大戦中に一時的な中断があったものの、20世紀を通じて国際連盟、国連、ビルダーバーグ・クラブ、三極委員会などの超国家的組織を創設して統一されたリベラルエリートの育成を目指し、活動していました。CFRのグローバリストたちは統一された世界政府の創設を目指し、それにより国家が徐々に消滅し、主権を持つ国家が西洋流のリベラルエリートが率いるグローバルな寡頭政治に権力を委譲することを期待しました。
またCFRはヨーロッパのネットワークを通じて、欧州連合(EU)の創設に積極的に関与しました。この組織の代表であるヘンリー・キッシンジャーは、中国の世界市場への統合において重要な役割を果たしました。これは社会主義陣営を弱体化させるための効果的な手段であり、同組織は収束理論を推進し、ゴルバチョフ時代までのソ連の後期指導部にも影響を及ぼしました。後期ソ連のイデオローグはCFRの影響を受け、「世界社会は管理可能である」と述べるに至りました。
アメリカのCFRは厳密には超党派の組織であり、民主党と共和党の両方を束ねています。実際にはCFRはグローバリズムの総本山であり、クラウス・シュワブのダボス・フォーラムのようなヨーロッパの同様の取り組みはその支部にすぎず、ソビエト連邦崩壊前夜、CFRはモスクワのグヴィシアーニ研究所のシステム研究所へ支部を設立しました。この研究所はアメリカおよび世界で「独立した」専門家の意見交換のためのプラットフォームとして紹介されていますが、実際にはイデオロギーの中心拠点です。
トランプは伝統的な保守的な政策、アメリカの利益重視、グローバリズム批判を掲げてこの組織と正面から対立しました。彼は短期間のアメリカ大統領にすぎませんが、CFRはアメリカ外交政策の方向性を100年間も示してきた歴史を持っています。CFRは軍と政府高官、文化人や芸術家、そして特にアメリカの大学の中にまで広く影響力をもち、表向き、アメリカはイデオロギー支配を認めていませんが、CFRのネットワークはそれに反して非常にイデオロギー的です。民主主義の普遍的勝利、世界政府の設立、個人主義とジェンダー政治の完全な勝利は、絶対的で揺るがない目標とされています。トランプのナショナリズム、アメリカ優先主義、「グローバリズムの沼を掃け」との呼びかけは、このリベラルなイデオロギーの守護者に対する真の挑戦だったのです。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「米国外交問題評議会・世界政府を目指して」 この現象を説明するためには、まず20世紀のアメリカにおいて最もイデオロギー的な影響を持ち、超党派的な場で活動を展開しようとした政治組織に注目する必要があります。ディープ・ステートの核を軍隊や情報機関、ウォール街の大物や、ハイテク業界の巨人などに求めても個別的で曖昧なものが多く、満足のいく結果は得られないでしょう。まずイデオロギーに焦点を当てるべきなのです。 陰謀論はさておき、この役割に最も適しているのは民主的グローバリズムの支持者だったウッドロー・ウィルソン…
「プーチンとトランプを抹殺せよ」
CFRは秘密結社と言えるでしょうか? おそらくそうではありません。 彼らは慎重さを好みつつ、全体的に公然と活動しています。 SMOの開始直後、CFRの指導者たち(リチャード・ハース、フィオナ・ヒル、シリシャ・ワランダー)がプーチン大統領の暗殺の是非について直接議論を行った事例があります(この議論の内容はCFRの公式サイトに掲載されました)。アメリカのディープ・ステートはトルコのそれとは異なり、グローバルに視野を広げ、ロシアや中国での出来事をまるで自国の「内政問題」であるかのように扱います。トランプを逮捕したり、選挙から排除できない場合は、暗殺することは比較的容易だと考えています。
アメリカ独立戦争の時代から、メーソンのロッジがアメリカの政治システムにおいて重要な役割を果たしてきたことを考慮する必要があります。 メーソンのネットワークはCFRと密接に絡み合い、リクルートの手段として機能しています。今日では、リベラル・グローバリストたちは隠れる必要はなく、彼らのプログラムはアメリカおよび西洋全体に受け入れられています。 秘密の権力が強化されるにつれ、その存在は次第に公開されるようになります。かつてはメーソンの秘密で保護されていたことが、今では公然たるグローバルなアジェンダになりました。 フリーメーソンは敵を物理的に排除することに抵抗はありませんでしたが、かつては公言しなかっただけです。今や彼らは公言しています。その違いに過ぎません。
CFRは秘密結社と言えるでしょうか? おそらくそうではありません。 彼らは慎重さを好みつつ、全体的に公然と活動しています。 SMOの開始直後、CFRの指導者たち(リチャード・ハース、フィオナ・ヒル、シリシャ・ワランダー)がプーチン大統領の暗殺の是非について直接議論を行った事例があります(この議論の内容はCFRの公式サイトに掲載されました)。アメリカのディープ・ステートはトルコのそれとは異なり、グローバルに視野を広げ、ロシアや中国での出来事をまるで自国の「内政問題」であるかのように扱います。トランプを逮捕したり、選挙から排除できない場合は、暗殺することは比較的容易だと考えています。
アメリカ独立戦争の時代から、メーソンのロッジがアメリカの政治システムにおいて重要な役割を果たしてきたことを考慮する必要があります。 メーソンのネットワークはCFRと密接に絡み合い、リクルートの手段として機能しています。今日では、リベラル・グローバリストたちは隠れる必要はなく、彼らのプログラムはアメリカおよび西洋全体に受け入れられています。 秘密の権力が強化されるにつれ、その存在は次第に公開されるようになります。かつてはメーソンの秘密で保護されていたことが、今では公然たるグローバルなアジェンダになりました。 フリーメーソンは敵を物理的に排除することに抵抗はありませんでしたが、かつては公言しなかっただけです。今や彼らは公言しています。その違いに過ぎません。
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「プーチンとトランプを抹殺せよ」 CFRは秘密結社と言えるでしょうか? おそらくそうではありません。 彼らは慎重さを好みつつ、全体的に公然と活動しています。 SMOの開始直後、CFRの指導者たち(リチャード・ハース、フィオナ・ヒル、シリシャ・ワランダー)がプーチン大統領の暗殺の是非について直接議論を行った事例があります(この議論の内容はCFRの公式サイトに掲載されました)。アメリカのディープ・ステートはトルコのそれとは異なり、グローバルに視野を広げ、ロシアや中国での出来事をまるで自国の「内政問題」である…
「ネオコン・トロツキストから帝国主義者へ」
ディープ・ステートのもう一つの中心は、ネオコン(新保守主義者)たちです。彼らはもともとトロツキストであり、ロシアが(彼らの観点では)国際主義ではなく「国家主義的」な社会主義、つまり一国社会主義を構築したため、ソ連とスターリンを憎んでいました。彼らの見解では、真の社会主義社会は存在せず、また資本主義も不完全でした。トロツキストは、資本主義がグローバルに拡大し、全ての民族、文化が混ざり合い、伝統や宗教が廃止されることで初めて、真の社会主義が実現すると信じています。彼らにとって、世界革命はそれ以降の段階でしか成し遂げられません。
こうしてアメリカのトロツキストたちは、グローバル資本主義とその旗手であるアメリカを支援し、ソ連(そしてその後継国であるロシア)や他の全ての主権国家を破壊することが必要であると結論しました。アメリカは覇権を強化し、反対勢力を排除しなければならず、北半球の豊かな国々が南半球の貧しい国々を完全に支配し、グローバル資本主義が支配する世界が成り立つ時に初めて、歴史の次の段階への移行の条件が整います。
この悪魔的な計画を実現するために、アメリカのトロツキストたちは、直接的な方法ではなく、大政党を通じて政治に関与するという戦略的な決断を下しました。まずは民主党を通じて、そして後に彼らが味を占めた際には共和党も活用しました。彼らはイデオロギーの重要性を認識し、議会制民主主義を大資本の隠れ蓑として軽蔑しました。こうして、CFRとともにアメリカにおけるディープ・ステートの別のバージョンが準備されました。ネオコンはトロツキズムを公然と掲げず、むしろ古典的なアメリカの軍国主義者、帝国主義者、グローバル覇権主義の支持者を引きつけました。そして、トランプ以前には共和党を牛耳っていたこれらの人々とトランプは対立せざるを得なくなりました。
「民主主義は独裁政治である」
ディープ・ステートのもう一つの中心は、ネオコン(新保守主義者)たちです。彼らはもともとトロツキストであり、ロシアが(彼らの観点では)国際主義ではなく「国家主義的」な社会主義、つまり一国社会主義を構築したため、ソ連とスターリンを憎んでいました。彼らの見解では、真の社会主義社会は存在せず、また資本主義も不完全でした。トロツキストは、資本主義がグローバルに拡大し、全ての民族、文化が混ざり合い、伝統や宗教が廃止されることで初めて、真の社会主義が実現すると信じています。彼らにとって、世界革命はそれ以降の段階でしか成し遂げられません。
こうしてアメリカのトロツキストたちは、グローバル資本主義とその旗手であるアメリカを支援し、ソ連(そしてその後継国であるロシア)や他の全ての主権国家を破壊することが必要であると結論しました。アメリカは覇権を強化し、反対勢力を排除しなければならず、北半球の豊かな国々が南半球の貧しい国々を完全に支配し、グローバル資本主義が支配する世界が成り立つ時に初めて、歴史の次の段階への移行の条件が整います。
この悪魔的な計画を実現するために、アメリカのトロツキストたちは、直接的な方法ではなく、大政党を通じて政治に関与するという戦略的な決断を下しました。まずは民主党を通じて、そして後に彼らが味を占めた際には共和党も活用しました。彼らはイデオロギーの重要性を認識し、議会制民主主義を大資本の隠れ蓑として軽蔑しました。こうして、CFRとともにアメリカにおけるディープ・ステートの別のバージョンが準備されました。ネオコンはトロツキズムを公然と掲げず、むしろ古典的なアメリカの軍国主義者、帝国主義者、グローバル覇権主義の支持者を引きつけました。そして、トランプ以前には共和党を牛耳っていたこれらの人々とトランプは対立せざるを得なくなりました。
「民主主義は独裁政治である」
アレクサンドル・ドゥーギンの日本語によるテキストと記事
「ネオコン・トロツキストから帝国主義者へ」 ディープ・ステートのもう一つの中心は、ネオコン(新保守主義者)たちです。彼らはもともとトロツキストであり、ロシアが(彼らの観点では)国際主義ではなく「国家主義的」な社会主義、つまり一国社会主義を構築したため、ソ連とスターリンを憎んでいました。彼らの見解では、真の社会主義社会は存在せず、また資本主義も不完全でした。トロツキストは、資本主義がグローバルに拡大し、全ての民族、文化が混ざり合い、伝統や宗教が廃止されることで初めて、真の社会主義が実現すると信じています。…
アメリカのディープステートは二極化していると言えます。
左派グローバリスト(CFR)と右派グローバリスト(ネオコン)という二つの派閥がありますが、それらの超党派的組織は選挙によって選ばれた存在ではなく、実際には積極的に公然と全体主義的イデオロギーを主張する担い手です。多くの点で両者は主張は一致しており、違いはレトリックだけです。どちらもプーチンのロシアや習近平の中国、多極化に対して強く反対しています。また米国内ではトランプとその支持者が古い米国の政治を体現しており、グローバリズムとは無縁で国内問題に焦点を当てているため、彼らに対しても厳しく反対しています。このトランプの立場は、体制に対する真の反逆であり、トルコのエルバカンやエルドアンのイスラム主義政策に匹敵するものです。
このようにして、トランプの大統領職の登場に伴い、ディープステートに関する議論が生まれました。トランプとその方針は、アメリカの有権者の重要な支持を得ましたが、これはディープステートの意向と一致していないことが明らかになりました。ディープステートは、法的枠組みを超えてトランプに対する厳しい対応を取り、民主主義の原則を侵すことで実態が明らかになりました。事実上、「民主主義は我々のものである」とディープステートは宣言したのです。多くの批評家がこれをクーデターと見なし始めました。実際、それはそうだったのです。アメリカの影の権力は、民主主義の仮面を持ちながらも、次第に独裁的な様相を呈し、リベラルでグローバリストの支配を強めていきました。
左派グローバリスト(CFR)と右派グローバリスト(ネオコン)という二つの派閥がありますが、それらの超党派的組織は選挙によって選ばれた存在ではなく、実際には積極的に公然と全体主義的イデオロギーを主張する担い手です。多くの点で両者は主張は一致しており、違いはレトリックだけです。どちらもプーチンのロシアや習近平の中国、多極化に対して強く反対しています。また米国内ではトランプとその支持者が古い米国の政治を体現しており、グローバリズムとは無縁で国内問題に焦点を当てているため、彼らに対しても厳しく反対しています。このトランプの立場は、体制に対する真の反逆であり、トルコのエルバカンやエルドアンのイスラム主義政策に匹敵するものです。
このようにして、トランプの大統領職の登場に伴い、ディープステートに関する議論が生まれました。トランプとその方針は、アメリカの有権者の重要な支持を得ましたが、これはディープステートの意向と一致していないことが明らかになりました。ディープステートは、法的枠組みを超えてトランプに対する厳しい対応を取り、民主主義の原則を侵すことで実態が明らかになりました。事実上、「民主主義は我々のものである」とディープステートは宣言したのです。多くの批評家がこれをクーデターと見なし始めました。実際、それはそうだったのです。アメリカの影の権力は、民主主義の仮面を持ちながらも、次第に独裁的な様相を呈し、リベラルでグローバリストの支配を強めていきました。